本会の発足は昭和36年。第1回野鳥愛護のつどい企画、「囀」の創刊。 昭和38年に静岡県野鳥愛護協会を発足。 昭和39年に日本野鳥の会全国大会を富士宮で開催し、 富士山2合目湧水地を中心に一大探鳥会を催したのが、富士山と共に歩んだ、本会活動の流れの原点です。 以来、現場重視、愛鳥思想・自然保護思想の普及拡大を旨とし御殿場支部、静岡支部と連携し、活動を県下に拡げてきました。
何より、その頃は「愛鳥」や「自然保護」の未発達の時代であったため普及部を置き、底辺拡大に努力しました。 飼鳥の放鳥大会や愛鳥週間のポスター、作文募集、愛鳥モデル校の指定や協力、探鳥会の実施にも努めました。
当時は登山バスも2合目湧水地止りであったため、辺りは幽玄の世界で、 大天然林地を保存した聖地でした。 また当時から入山マナーは厳しく、探鳥会の都度、ゴミ拾い、 山道補修、水場を造ってきました。夏場に1カ月も晴天が続くと富士山の生物は移動し、大 型動物は棲めません。そこで諸方にコンクリート製水溜を設置し、多少の補いを願ったこともありました。
近年は行楽客が増加し、ボランティアも増えたことから、シーズンやイベント開催時は遠慮し、 平素活動に廻るようにしていますが、ゴミ一斉清掃、3776大作戦、 植林地造成作業等には可能な限り参加してきました。 また環境変化に対応する生物生息調査には常にデーター報告し、担当所等に助言をしています。
富士山との関わりは探鳥で、4月は天照教社、5月は高鉢遊歩道、 7月は5合目宝永遊歩道等がメインで、毎年の定番になっていますが、 時には西臼塚、旧2合目湧水地、東臼塚になったり、冬鳥の特別調査もあり、 事実調査ではありながらも楽しみでもあります。人として、自然との対話が究極の慰めでもあると思っています。